1996.12.15(日)その②
フィレンツェの街へ出た。
メルカートセントロを目指す。
が全然場所がわからず、辿り着けない。
蚤の市の中を、、、、ひたすら歩いている。
古着、革製品、すごい人である。
もともとフィレンツェのメインストリートは人であふれている。
それを越す賑わい。街の勢い伝わってくる。
トラステヴェレの蚤の市を超える賑やかさ。
リーバイス、革スエードのジャケット、
クワントコスタ?
ちょっといいなって思ったジャンバー
ONE thousand Three Hundred ONLYって
え?1300?
カードも使えるの?
買う!!
つい衝動買いしちゃったなーって笑っていたら
店員さんが電卓を見せる。えー!桁が2つ多い。
やっぱり高いじゃん!
じゃーいらないよー、やめるよ。っていったら
リラ110000になった。
買っちゃった。
衝動買いだってわかってる。なんかもやもやが残る買い物をしちゃった。
ユースホステルへ戻り、晩御飯を食べた。
9300リラ。
肉ポテト、パン、ワイン、オレンジ。それにチキンとパスタ。
今日ユースホステルは日本人が少なかった。
というより一人もいない。昼間にユースホステルでゆっくりなんて、そんな勿体ないって精力的に旅TABI!をしてるんだろうな。
この時間、外国の高校生が団体でご飯を食べていた。
バスも横付けで、なんかうるさそーな面々。あれは係わっちゃダメなやつだ・・・。気を付けよう。
さっきまで居たドゥオーモでの話を思い出した。
似顔絵描きの兄ちゃんが4,5人もいた。
ある兄ちゃんは、家族連れを相手に、子供の似顔絵を書いていた。
落ち着かない子供に、似顔絵描きが手を焼いていた。
それでも少しずつラインを引き、それが集まって
ゆっくり、ゆっくり顔が浮かび上がってくる。すごいなー。
これが芸術家ーって、フィレンツェとドゥオモと
イケメン似顔絵兄ちゃんで、自分もアートをかじっている風に
僕を満足させてくれる空気だった。
場面は変わって。
ウエディングドレスをまとった女性と、かっちょいスーツ男性が
ドゥオモをバックに写真を撮っている。ドゥオーモで結婚式を挙げたのだろうか
僕もカメラを見せて、いい?って聞いてみた。
来い来い!最高の笑顔。そして私は飛び入り参加!
ここでは、友達は出来放題じゃん。
みんなテンション高くなっている。
なのに、、、、なんだよねー。浮かれた自分に気付いて思う。
ちょっと、ここは違うかも。
綺麗だけど、華やかでにぎやかだけど
フィレンツェのような、ゴン込みした世界はあまり長居できないかもなー。
シチリア島シラクーサは、のんびり過ごせた。
ローマでは、帰る場所があった。友達がいた。
それに比べてフィレンツェは。
人気な観光地なんだろうな。狭いところに人がたくさん、わんさか
それがしんどいんだよね。
街の人が、空気が、全体が、忙しくざわめいていると
のんびり座って日記も絵も描けない。
そんな街、フィレンツェ。想像以上の大都会。
(pm. 8:30 ユースホステルにて)

やることがないので、、、イタリアに来てからのことを思い返していた
2週間。やっと2週間たった。
イタリアにきて僕は、何をしたかったのだろう?
旅を通じて、どんな人間になろうとしているのか。
何にも変わらないだろうか。
これからの成長の糧となるものをつかみに来たんだろうか?
2週間何もつかめていない。なにも広がっていない。
このまま帰るわけにはいかない。
もっともっと飛躍的な成長を成し遂げるための何か。。。
って、何かって何?
結局浅いところで、思考が止まり、深いところまで行けません。
結局、一応目的とか、生きるとか考えたから良しとしよう!
なんて、ナルシストな時間を切り上げた。
(pm8:45)
下に降りて、日本人がいたテーブルへ参加させてもらう。
デザイナーの仕事をしながら旅を続けるお兄さん。
すごいなー、自信に満ち溢れている。すごい人なのかも
消灯時間まで、話が盛り上がり楽しかった。
このデザイナーさんは、今MAcパソコンで仕事をしている。
デザインを。
でも、覚えてしまえばだれでもできる仕事。
だから、みんながMacをもって、やり方を覚えれば
自分の仕事は、すぐに他にとらえれてしまうだろう
そんな不安から、みんながそれに気づく前に
自分自身は次に何をしればよいかわからない。
だから旅をしようと思った。 らしい。
どうやら、旅を続けて自分にとってわかったことがるという。
出会いのほとんどが、相手から声をかけてもらうパターンだという。
それがもしかしたら、自分の一つの武器じゃないかった思い始めたって。
(現に、僕とその人も、僕から声をかけた。確かに話しやすく
楽しい人。人から好かれる雰囲気を持っている人)
人に話しかけたくなる。そんな武器。なんか強そうな武器。
僕もほしい。
(pm11:30)

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