ただ目的地へ行くための散歩。歩数を稼ぐだけの散歩。健康のために体を動かすための散歩。左足と右足を順番に動かす単純な動作も、そこに自分なりの意味付けを行うだけでそれまでと異なった景色が広がるかもしれません。
沢山歩いた思い入れのない散歩ルートも、自分なりの物語を一緒に添えるだけで、その道もあなたにとって特別な一つになるはず。
知らない土地で、宝探しのように歩き回る散歩も、なーんにもない土地だと拍子抜けするかもしれません。景色を見て、始まりそうにない物語に期待もできない。そんな時、そこに意味を吹き込む。なんでもなかった景色、ルートが、あなたにとって特別な1本になる。あなた自身の心の持ちよう次第で。
例えば私の場合は、自宅そばの何もない田んぼ道は、今は亡きレトロバーːりきとの思い出の場所。そこから見える何もない広大な田んぼ道は、全部私にとってはりきにささげる散歩ルート。
ある休日、私は名古屋の知らない駅で降りて、名古屋駅まで歩いた。知らない土地、変化のない住宅街。一時間ほど楽しんだその日は、私にとっての大事な記念日1周年の日。家族も気づいていない。私んとってあの場所、あの日あの時間。そしてあのルートは、大事なものの一つとして、目を閉じれば何時でも引き出せる場所にしまってる。
その他大勢のなかから、ある特定の大事なその一つにするかどうかは、私たち自身次第。
無機質ないつもの散歩も、考え方次第で、素敵な物語を繰り広げることができるはず。
ぜひ、その1時間。1万歩に、貴方なりのストーリーを刻んでください。
こんなことを思うきっかけは、こちら。最も読まれている本の一つ。
「星の王子様 サンテグジュペリ」
1996年一人旅、ローマの各町でも本屋さんに入って一番最初に探すのはこの本でした。イタリア語の星の王子様。
ダヴィンチ創刊時期、特集で「最も人生に影響を与えてくれた1冊」ランキングで1位でした。
それが私にとっての出会いです。読後の感じ方は人それぞれ。私にとってはこうでした。
それまで気にもしていなかった出来事、出会いが、考え方次第で、もしくは必然的な出会いの瞬間から、特別な存在になる。
大事なのは、その特別になった瞬間から、貴方にとっては、責任が伴う対象になるということ。
大事にするかどうかも私たち次第。けどその結末の責任を取るのも私たちということ。特別になってしまった相手、出来事には、真摯に向き合い、お付き合いするのがあなた自身の幸せにつながる。
奇しくもその他大勢ではなくなってしまった相手は、貴方にとっても、大事な出会い、存在。それを大事にする必要があるんだと教えてくれた1冊です。
さあ、星の数ほどある無数の道を選んで、貴方にとって特別な一本、散歩に仕上げてください。

■私がサンポ好きになったきかっけの一人旅
コメント