12.盛り上がることのない二人

1996年イタリア一人旅

1996.12.10(火)
 今日は7:30起床。朝食後サン・ピエトロ大聖堂ヴァチカン博物館へ向かった。
 テルミニ駅で64番バスに乗りヴァチカン市国へ。
 道は混雑している。8:49に到着。螺旋階段を登ってStudent窓口へ。10,000リラ。

 昨夜からの雨は今朝は落ち着いていたので今日昼間は晴れると思ってたけど、美術館を出たら、また振り出してきた。歩いて帰りたかったのに、、、、残念。帰りもバスだねー。492番のバスに乗りテルミニ駅へ向かう。駅まで約20分。このバスはローマ市街の真ん中を通るため人気がある。テベレ川を超えると、どんどん、、、どんどん増える。これでもかというほど乗り込んでくる。スリに合わないように気をつけないと、、、。服越しにポケットに入っている財布をぎゅーとつかむ。自分で。取られないように。
今日のランチは、博物館を出たところで買ったパンを1個と、バスを降りたテルミニ駅近くで、パンと魚缶を買い、サンドイッチにして食べる。甘党!ドーナツ、LATTEも買う。今日は。20,000リラも使っちゃった。

今日ヴァチカン博物館へ行ったのは、郵便を出すため。消印がヴァチカン市国ってなんか格好良いかなって。家族へ手紙を出してきた。無事に届きますように。


 体が冷えたのか体調が悪くなって宿へ戻り薬を飲んで昼寝をした。Saimonが心配してくれて人参をくれた。体調良くなってくれよなって。人参齧ったけど、、、、これって欧米流?生ニンジンのお見舞い。

食べながらHOYBIBLEの説明を聴く。NewTestaementoのチャプター4 色々目を通すが全然わからない。THEE=YOU だったり、、、、彼は一生懸命説明してくれるけど、、、、。

今日も新しいルームメイトがやってきた。オーストラリアから来たダンディー大男。バカデカくて渋い!ピアスにロングコート髭面。
落ち着いていて危険な香り。私は日本から来た!それしかいえんかった。彼から笑顔が出てこない。それから、僕ら二人は話が盛り上がることはなかった。

 4人部屋ドミトリーで、盛り上がらない二人になってしまった。しかも体調が悪い。

 そういえば、10代前半で悩んだことあったなーって、思い出した。気まずい人と二人になったらどうしよう。って悩んだ時期があった。内気だったのか?口下手だからか、初対面の人や、苦手な人と、同じ部屋にふたりっきりになったらどうしよう。とか、バスで隣になったらどうしよう。気まずい時間が怖い!って本気で悩んだ時のことを思い出した。

今は大丈夫だ、大丈夫になっているってローマで自分に気づいた。これが大人になっていっているってことだろうって、感傷的になった。

気まずい人と一緒になったらどうしたらよい?って?言葉巧みに彼、彼女の顔色をうかがいながらその場を盛り上げればよい?盛り上がる雑談を普段から仕込んでおけばよい?

ちがいます。(もちろんそういう術を身に着けている人もたくさんいる)

ぼくの場合は違う。一番楽な方法。それはつまり、気にしない。

そう沈黙をこわがらない。相手は僕ほど気にしていない。気にしていたとしてもたいしたことではない。沈黙を楽しみ、気にしないこと。興味があることがあれば、話せばよい。

とっても簡単なことだったんだって、気づかないうちに僕は、悩みを克服していることに気づくことができた。

それに気付いても残念ながら、体調が悪いのがすぐに治るわけではなかった。

ヴァチカン博物館


 タペストリーの間
   右は幸福、左は子供を殺すものたちを助ける場面。
   左側の方あるとても息苦しいものが多い
   入ってすぐ左4つ目の子供を殺そうとしている絵は見て
   苦しくなった。

 地図の間
   タペストリーとは打って変わってとても華やかな空間
   フレスコがで全て描かれている。

 ラファエロの間
   すごく豪華な絵が並ぶこの4部屋はいづれも
   当時の王の書斎出会ったり今であったらしい。
   とても贅沢な人たちだったんだろうと想像を巡らす。
   一枚の絵とかツボとかじゃなくて、
   壁全体を絵にしてそれに囲まれながら生活をする。
   やることがダイナミックだなと思った。
   どの絵も彫刻のような立体感溢れるものばかり。
   彫ったものだと思って近づくと、フレスコ画だったり。
   絵だったんだ〜。
   描いたのが、500年前。

 システィーナ礼拝堂
   ヴァチカン博物館のクライマックス。
   すごく圧倒される絵ばかり。
   やっぱり彫ってあるように見える。
   立体的で綺麗。
   最後の晩餐は鮮やかすぎる。

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