13.人生はつまりWait and See

1996年イタリア一人旅

1996.12.11(水) その①

AM 8:21起床。色々迷った挙句、ローマの次はシチリア島へ行くことにした。アグリジェント(シチリア島)を見に行くぞ!夜行電車で、ローマ発21:15 → シラクーサ着8:55。ギリシャを思わせるような古代遺跡を見に行こうと決意した。

9:30にチェックアウト(パパ・ジョルマーノ)。高校生の好青年と一緒に、ヴァチカン郵便局へ手紙を出しに行く。

帰りにスペイン広場へ行き、いろんな教会を見る。そこでまた友達ができた。ミサンガを勝手に腕に巻くイタリア人。意気投合して、サービスなのかぼったくり延長なのか、ミサンガを巻いてくれた。ブラジルカラーとジャマイカカラー。取れると願いが叶うらしい。帰りのバスで、ジャマイカカラーが取れた!もう願いが叶った?叶う?

今朝は晴れそうだったのに、雨が降ってくる。最後のローマを晴れで楽しみたかったのに、残念。雨の時は動きたくない。

高校生とは、テルミニ駅でお別れする。彼は荷物を取りにパパ・ジョルマーノへ。私は電車が22:15なので、まだまだ時間がある。駅内の待合室で日記を書くことに……と、入口で止められる。チケットを見せろ、と。「持っているよ!」って腹が立って、苛立ちを隠さず言った。俺も少しはうさん臭くなってきたのだろうか。旅慣れしてきた?だったら少し嬉しい。(ただ、もう一度冷静に考えると、チケットを見せずにいら立つ自分は格好良いものではないと、プチ反省。)

そう、冷静にならないと!こういう時はミスをする。慎重に席について、大人しく日記を書こうとしたけど、眠たい。

そして眠ってしまった……ようだ。

トントントン。(お!ひったくり?)

目を開けると。

「ここにいたんですねー」

さっき別れた、青春さわやか高校生!なんだー。

彼は、ICでフィレンツェ方面へ。山奥の田舎町を目指すらしい。「すごくワクワクする!」って。やっぱりパワフルで爽やかだ。

俺は内心「早く帰りたい」なのに、なんて好奇心なんだろう!俺は本当はフィレンツェやヴェネツィアへ行ってのんびりしたい。だけど、それだけじゃツアーと変わらないから、あえて遠くへ行くっていうのに……。シチリア島へ行く本音はこれだ。

再び彼と別れ、また一人になる。共和国広場の本屋さんへ。もう行くところがなく、現在16:00頃。パパ・ジョルマーノへ荷物を取りに行く。そのままマクドナルドへ2、3時間粘ろう。スーパーへ寄って、あとは待合室で3時間のんびり過ごそう。

ローマ駅。写真を何枚か撮ってきたけど、テーマを決めていないのでいまいち。帰ってから「失敗した」と後悔しそう。だから、もう一度テーマを決めて、イタリア旅行の写真を貯めたい。

○ これまで撮ってきたもの
– 建物の玄関
– 人の顔、美術品の顔
– 教会のモザイク画
– 街角

これからのテーマ。
– 街灯
– 2人
– WORKMAN……

やっぱりいまいちかな。

……つづく(その②へ)

以下、当時の日記の記載内容抜粋。

・もし人が美というものをもっぱらそれが与えてくれる快楽ゆえに愛するとすれば、その愛は不毛なままに終わるだろう

____________ プルースト

・人はすでに知っているものをあえて知ろうとはしません。読んでしまったものをまた読むのは、情報のためではなく、その面白さゆえです。文章による伝達という外見的類似のため、物語、小説がこうした認識の用具と間違われて久しくなります。それでは小説はますます貧血化してゆきます。それを救うのは「よく生きること」を願う倫理性と物語精神の恢復ではないでしょうか。

____________ 辻邦正

・新しい世界へ飛び込むことも大切かもしれない。でもそれはあくまでも自分のスキルアップのため、興味のある分野であって、何も目的なしに学ぼうとするのは無謀であることもある。

・WAIT AND SEE

____________ サイモン(ALL DAY Vespa in Roma 1996)

家を持たずに安宿の宿泊部屋をMY HOMEだと言い切るサイモン。
4人部屋のみんなの前で毎日ひげを整えるサイモン。
部屋全部のハンガーを独り占めのサイモン。

1996年のサイモンから、これを読んでくださっている皆さんへ。

人生とはつまり WAIT AND SEE だ!

落ち着いて周りを見渡してごらん!
おのずと必要な道は見えてくる! はず。


―― 旅する読書人より 2026.7.24

「人生とはつまり WAIT AND SEE だ。」

ローマで出会ったアメリカ人、サイモン。彼はそう言い放った。

家を持たず、安宿を「MY HOME」と定義し、毎日のようにバチカンに通う。彼の生き方は、とても真似できるものではないけれど、その言葉だけは、なぜかいつまでも耳に残る。

「落ち着いて周りを見渡せ」――そのシンプルなアドバイスが、この旅のどこかで、彼の中で確かに響いているのだろう。


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