○1994.12.14 シラクーサ その③
シラクーサから日本へどのくらいで着くのだろうか。
果たして無事にぼくの書いた手紙は届くのだろうか?
それとミラノ行の列車に乗れるかどうか今すごく不安。
同じホームで15:05分発の列車が、15:10分になっても出発しない。
いやいや、海外の列車は時間通りじゃないでしょっていう皆さん!
確かにそうですよ。でも、同じホームを10分発ミラノ行に乗りたいんです。
隣町へ行く電車じゃなくて、ここからミラノです。日本だったら、
愛知県から、札幌行きの電車に乗るイメージです。
同じホームで、15:10分発の列車に乗りたいのに。そのホームにいないって
不安じゃないですか?
やっときた!って、思ったら、ミラノ行が来ない。どーしたの?
ストライキかなー?
見渡したら、隣のホームで、ヴェネツィア行の3:30分発があった。
あ立ててそれにのった。予定だと、明日の朝、9:50分にフィレンツェにつくらしい。
よかった。なんとか本土へ行ける。
早速、日記にを書こうとノートを開いたが、やめた。
気に入ったシラクーサの街にお別れをしようと、廊下へ出て
顔を車窓から出して、シラクーサにお別れをする。
と、何だか、いつもと感じが違う。。。。
風を受ける自分感覚がいつもと違う。
風で髪の毛がわさわさするのはいつもの感じ。それだけじゃない。
五感を研ぎ澄ます。
髪の毛、目、鼻、、、むむむむ
これはもしや、口の周りに風を感じるものが
ひげだー!
もう2週間もひげをそっていなかった。のびのびになったひげが
風でひげが曲がるのがわかる。
髭が風を受けとめているというか、風でひげがなびく。 とても不思議な感じ
(pm3.45 列車にて)
前に書こうとしていた小説の話。
電車に揺られながらどうしようかなーって考えようとしたら、
と列車が停止した。 え? これって各駅停車?
こんなんで、本当に明朝フィレンツェに着くのでしょうか。
シラクーサからフィレンツェって、
愛知県から青森とか札幌へ行くような感覚。
ロスアンジェルスから南にバハくらい?
ちょっと各駅停車きつくないですか。
次の文章が、浮かんできた。
”目が覚めるとそこは夢だった”
”いや正確には、・・・・・というべきかもしれない”これである。
”いや正確には、気が付くと夢を見ていたというべきかもしれない”
”だが僕にはそんなことが問題なんじゃない。僕がその世界にいたという事実
その世界にいたということは紛れもなく事実なのだから”
これである。すごく渋い出だし。
がまだ設定も何も決まっていない。
これが一番の問題、課題である。
しかし、各駅停車でいくの?俺!
(pm4:30 電車のなかで)

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