27.ふたりのクィックターンから思い出した大事なこと。ウノ、ドゥエ、トゥレ!クィック、クィック!…タ~ン

1996年イタリア一人旅

○1994.12.14 その③

やっとメッシーナに着いた。
いよいよである。
列車事フェリーに乗る瞬間。
(窓を駅員が、たたいてきた。降りろというのだ。うそー!
慌てて降りて。降りた列車は切り離されているところだった。
あわてて、人がいる列車のほうへ移動。
しかし人がいっぱい。しかもマークが、SleepingTrainとなっている。
これではだめだから、めちゃくちゃな人ごみの中を重い荷物を持って通る。

”Sucusi” の連続。連呼。めちゃくちゃ大変。

とりあえず、降りて 混んでいたのでどうしようか考えようとする。
時刻表でも見ながら、、、、、、。

とフィレンツェ行じゃなくて、ヴェネツィア行が別のホームから出ている。
あれだ!僕がシラクーサで、乗りたかったやつ。どうなってるの?

けど。ヴェネツィア行も激混み。乗れる状態じゃないので断念。

のんびり列車旅がしたいから。

でもどうしてお年寄りが、この普通の席にいるの!!!!
ゆったり、寝台の方に泊まってよー。

12時間も揺られるのに、ずっと満席の座った状態は嫌ですよー。

pm.8:45発 ミラノ行で行こうと思う。がどうなることやら。

昨日考えた計画がおじゃん!
取り合えず。1時間空きができた。

メッシーナを見てこようかな。 

(pm.7:45 メッシーナ駅 ホームにて)

メッシーナ駅周辺は、何にもなかった。
すぐホームへ戻ってきた。なんか情けない。こんなところで立ち往生なんて。
泣くにも泣けず、怒るにも怒れず、この心の持ちようをどうしたらよいかわからない。
一応書きます。これから乗ろうとしている電車は、ミラノ11:15到着予定。
ボローニャ9:08、フィレンツェ 7:26着予定。
土曜夜だからだろうか。
こんなに人が多いのは。

トマトを食べながら考える。いったい何を?

今・現在・これからのことをである。

さらに人参を齧る。

そしてまた考える。。。考えようと、する、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何をどうしようか。

でも何にも思い浮かばない。それがまたむなしい。

(pm8:15 メッシーナ駅ホーム)

予定の時間より、40分超え、さらに10分経っても電車は来ない。
どうして?
自分の前では、ホームのある一定の距離も 何度も何度も何回も、歩き回っている夫婦がいる。
15分以上くるくる回っている。
おっさんもおばさんもあったかそうな服を着ているから、寒さを紛らわすわけでもなさそう。
二人とも、ちょっとイラついているのがわかる。
ある場所から、ある場所まで行き、戻ってきたと思ったら
また、同じ間場所までいき、の繰り返し
その向きを変えるタイミングが、なにかも目印にしているわけでもなさそうで、、、
でも正確な場所、タイミングが二人にありそう。

何をイベントにして、クルっと二人で向きを変えて、もどって、、、さらに戻ってきても
二人そろってまた、くるっと向きをかえる。
またくるっと、さらにくるっと。
二人の話している雰囲気も、起承転結ありそうで、盛り上がってる場面と
そうでない場面がある。くるっとタイミングは、その盛り上がりにも関係なさそう。
ただ気づいたのは、向きを変えるきっかけはいつもおっさんである。
ダンスを習っている二人のように、おっさんのタイミングで、二人でくるっとターン。

滑稽な二人。それにしても、電車がこない。

さらに10分以上、二人はターンを披露し続ける。
イタリア語のアナウンスは、理解できるわけがない。ヤッテ、ヤッテ(7?)という声だけ。

遅いぞトレイン  
(pm.9:15 ホーム)
9:30にやっと電車が来た。
最初の電車は、また激混み。
すぐに次が来た。そっちのほうへ乗る。すいていたのである。
が荷物を置くと、女性が入ってくる。Milano? と聞くと親切に他の人にも聞いてくれる。
結論が出なさそうな”二人のくるっとターン”を眺めながら
自分も同じ状態なんだろうか?と思った。

二十数年も生きたけど、いまだにどこに向かっているか定まらない。
どこかに向かわないといけないというあせりが、足音が
聞こえてくるようで。。。。。

ある友人は、小学4年生で将来の夢が見つかり
小学5年の読書感想文に村上春樹の本について書いて

今も夢に向かって、頑張っている。

ほかの友人は、この度のきっかけを作ってくれた友達は
東南アジアを中心に、バックパックを続けている。

インドへ一か月行ってきた彼に僕は聞いた。

”どう?自分見つかった?変われた?”

彼は言った。

”いや、変われなかった”

そうだよね、
人間簡単に変われないよね、

インドっていう混沌の極みの世界に
1か月も浸ったら、人間変わっちゃんだと
思ってた僕は、少し拍子抜けに。。。。

でも彼は、続けて言った。

”変われなかった、けどね。”

”見方、視野が広がった。それはしっかりと感じる”

人は自分を意識したその時から変わることはできない
でも、視野を広げることができる。
これが、対応できる幅を広げ、柔軟に考え、行動できる
伸びしろをたくさん作ることができる。
結果的に、人から見て変わった、、、ように見える。

そうだった。
僕はこの旅で、たくさんのものを見て、たくさんの経験をして
全身で受け止めることができるあらゆる刺激を、
これまで知ることもなかった世界を受け止めるためにやってきたんだ

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