北方謙三(笑)より、チャンドラーとの出会いが先だった。
キリマンジャロの頂を目指す豹の死骸よりも前に。
大都会のミラノ。荘厳なドゥオーモの前で
僕はフィリップマーロウを思い出す。
スリルを取り戻せ!
怠惰な旅を払しょくするため、僕はミラノ最後の夜を
静かに過ごす。
1996.12.17(火)その③
現在19時近く。いつもなら、HOTEL・宿に帰ってゆっくりしている時間。
今日は、そんな気分になれない。
あのボロい部屋に戻りたくない。
今夜は、ガッレリア内の本屋で、ゆっくり写真集眺めながら時間を過ごす。
自分もこんな写真が撮れると格好良いのにな。
EnglishBookの一角に特設?チャンドラー特集がされていた。
短編集L3,000。たいして英語が読めるわけでもないのに買ってしまった。
どうやらイタリアでは、レイモンドチャンドラーは、教科書に載るくらい人気?有名らしい。
フィリップマーロウは、僕にとってハードボイルドのお手本
てわけではない。
けど、絵本みたいなミニBookを手に入れただけで
この異国の地で僕は一人、ハードボイルドな一人に変身できた。
カプチーノに口をつけるときに視線は、自然と斜め上45°を向いてしまう。
それが僕のハードボイルド。僕じゃないフィリップマーロウがそうさせてるんだ。
フィリップさん間違っていたら教えてください!ハードボイルド っていったい何なんですか?
(pm.7:15 Burghy ガッレリア)
歩いてHOTELに帰る。
ちゃんと場所を覚えているか不安だったが、
なんとかHOTELを見つかった。
昼間は、ミラノはあまり楽しくなさそうって思ったけど、やっぱり大都会。
夜が楽しい。ライトアップに、人も溢れ、華やかである。
きっと人も街も何もかも夜に備えて昼間は静かにしているんだろう。
夜は散歩が楽しかった。
写真と一緒で、切り取り方で、街も印象が一気に変わる。
戻った部屋は、相変わらずボロく一気に僕のハードボイルド臭が覚める。
テレビは映らない。音も出ない。反応すらしない。
ボタンの接触が悪く。テープでボタンを固定して何とか移る。
何とかサッカーを流しながら、この日記を開いている。
あとミラノで何しよう?最後の晩餐がすぐ近くにいあるのに
このままミラノを離れるのもなー。
修復中の「最後の晩餐」は、見れないという話。
でも、出口からのぞけば。。。みたいな話があった。
ミラノを離れる前に覗いておこうかな、、、、。
(pm.9:42 HOTELにて)
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