2021.12.19(日)
いつの時代も自分探しは、大事なテーマの一つになっている。
1996年も、間違いなく自分探しは流行っていた。
4月にユーラシア大陸横断の旅に出発した猿岩石が10月に旅を終えて帰ってきた。
村上春樹が、ねじまき鳥クロニクルを発表し、若い写真家は、こぞってセルフヌードポートレートを撮って賑わっていた。
当時の学生は、ダンスか、DJか、波乗りをかじれば、もてるといわれていた。
バスキアが映画になり、アンディウォーホルが東京写真美術館で再び特集され、岩井俊二が最も元気な時代。
ヴィレッジヴァンガードは、雑貨店ではなく、おしゃれな本屋として元気だったころ。「12万円で世界を歩く旅」「地球の歩き方」「河童が覗いたインド」が店頭に積まれ旅を夢見る者たちに。自分探しの疑似体験が出来た。
みんな自分探しのための自身の感性を養うための環境が特にそろった世の中だったと思う。
私の一人旅も、そんな中で沸き上がった思いを形にした結果だった。
猿岩石より早く、大学の友人がバックパッカーで、東南アジアを旅してた。。
友人が交換留学から帰ってきたら、こんなことを言っていた。
どんなに素敵な体験、どんなにきれいな景色を見ても、それを共感できる相手がいない。それが寂しかった。せっかくの経験の興奮を倍増させることができなかったのが残念 だと。
そっかーと返事しながら私は、どんな素敵なことが海外経験につまっているんだよって、手の届かないところの話だと思って聞いた。
良く一人旅をしていた友人が、最長1っか月インドへ行ってきた。
河童が覗いたインドしか知らない私は、インドを選んだ友人に驚き、帰ってきた彼に詰め寄った。
「どう?変われた?」
河童さんからしか見聞き出来なった私は、彼のいろんな話を遮り、被せ気味に聞いたんです。
彼の返答は静かなものでした。
「変われなかった。」と。
えーーー!そうなの?インドへ一ヶ月も行ったら、人生観とか価値観とか、ほら!そういうのすべて180度変わっちゃうんじゃないんですか?
ちょっと落胆しそうな僕を見て、今度は彼が 被せ気味に答えてくれた。
「でもね、視野が広がった。気がする。」と。
ローマ旅中のブログでも書いてますが、私はこの彼の一言が私自身の生きるテーマとなっている。
そう、「人は変われない。」
大人になってしまった私たちはもう、根本から違う人間にはなれないんです。人は変われない。私はそう思ってる。
ずるい子は、大人になってもずるい。優しい子は大人になっても優しい。きつい子は大人になってもきつい。
残念だけどそれはどうにもならなない。変われないんだと思う。
でも、視野、幅、人間性、感じ方、生き方、考え方を広げることはいくらでもできる。
ずるいだけでは、生き辛いはず、優しいだけでは生きていけない。きついだけでは嫌われてしまう。
いろんな場面で、生き抜くための考え方、視野を広げる!
たくさんのものの見方を知り、その中で選択できる手段、考え方を増やす。これが成長だと、僕は今でも信じている。
って、大げさに私は書いたけど。言い方、書き方の違いで、内容はたいしたことなくみんな思っていることだと思う。自分探しってたいしたことじゃなかったんです。どこにもそんなお宝は眠っていない。
それを、自分で見つけた!わかった!感じた!
これが、自分探しのゴールなんだと思う。
そうしないと、自分探しはいつまでも終わらない。終われないんです。
それは、自分探し中って心地よいから。
なんでも、自分探し中って都合良い考え方だから。でも、哀しいかな、いつも若いわけじゃない。いつまでも、自分探し中って、自己中な考え方だと家族も大変。
さあ、長く自分探し中の私たちは、目を覚まそう。これ以上探しても、新しい私自身はどこにもいない。おそらく皆さんにとっても同じだと思うんです。
もうガムシャラに、新しいことだけを追い求めるのは、落ち着きましょう。
好きなこと、やりたいこと、本当の自分は、海外に行かなくても見つかります。日本中探しまわる必要もないんです。
家族との大事な時間を思い返してください。あなた自身の一人の大事な時間を思い出してください。
そこに、あなたの本当に探していたものが見つかるはずです。
それを育てるために、もう一度新しいことを求めて、外へ、旅へ出ましょう。
■私の自分探しの旅はここから始まった!
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