1997.12.16(月) その①
そういえば、12月25、26日は電車が止まるかも、っていう話をユースホステルで聞いた。
ちょうど僕は、26日にローマから日本へ帰る予定。どうしよう。ローマから空港まで電車じゃなかったら、どうやって帰ろう?
まさか、またぼったくりタクシー!
こればっかりは、当日にならないとわからないよなあ。
フィレンツェ駅でトイレに行こうとしたら、え!!!都会の駅トイレは有料なの?
もしかして、駅構内の待合室も綺麗だな、って最初思ってたけど、有料だったのかな。
こんな時の頼みの綱はマック!マックでトイレだけ借りた。
身も心も軽くなったところで、フィレンツェのもう一つの観光地、ミケランジェロ広場へ向かった。乗ったバスは合っていると思うけど、どこで降りたら広場に近いかわからない。
で、降りたり、乗ったりを繰り返して、少しずつ丘の上のミケランジェロ広場に近づいていく。
途中、陸上競技場があった。しかも立派なタータングラウンド(土じゃないゴムのグラウンド)。小学生だろうか、そこで陸上大会が行われていた。
60メートル競技。愛知県なんて、県大会ぐらいでしかタータングラウンドはやれないのに。
スターティングブロックがスタートラインに設置されているのに、「位置について!」って構える子供たちは、ブロックを使わずにスタートを待っている。陸上経験者の僕としては、なんだかコミカルな陸上大会に見えてしまい、楽しかった。
僕は小学、中学と陸上漬けの毎日。ただそれだけに熱中すればよく、単純な毎日。でも、真剣に打ち込めることがあって幸せな時間だったことを思い出して、熱くなった。(突然走りたいと思った、笑。けど、ミケランジェロ広場までは上り坂の山道で、歩道は極細。走れる状態じゃなく、あきらめた。)
さらにたくさん歩いて、何とかミケランジェロ広場に着く。
丘の上だからか、非常に冷える。寒い!たまらん。陸上の子供たちと一緒に走って体を温めたかったな。
と、観光バスから日本人がわんさか降りてきた。突然、広いミケランジェロ広場が日本人だらけになる。
これがねえ……寂しい僕には、ほっとして、心が落ち着いた。
p>(午後5時30分、ミケランジェロ広場)
帰りは、フィレンツェの駅までだから、行きのような混乱もなく楽に帰れた。あたりはもう暗くなっている。
駅のマックでまたトイレを借りて、市場へ行く。今夜はユースホステルでフルコース(13,000リラ)のご飯を食べるつもりだから、他の食べ物はできるだけ抑えるつもり。
ユースホステルは一泊23,000リラ。今日の昼:水500リラ、ヨーグルト1,000リラ、昨日のピザ3,500リラ。結構使うなあ。
フィレンツェの街は、駅、ドゥオモ、ミケランジェロ広場の行き来くらいで、全然周っていない。けど、たくさん歩いている。
おそらく、フィレンツェを「良い!」「好き!」って言っている人たちが好むお店や場所は、街の中心に全部集まっているんだと思う。ショッピングを楽しみに来た人は良い街かも。綺麗な街だし。
僕にとっては……ピザは、ピッツェリアとかで食べたわけではないけど、僕が食べた中では一番美味しかった。最高。
でも、今回僕が泊まるところが良くなかった。決めた宿のユースホステルは遠い。バスの終電は夜20:00。不便だ。
街は、最初にローマに1週間いたせいか、そんなに感動はなかった。ドゥオモは別。これは最高に格好良かった。
でもたぶん、街並みが新しいからかもしれない。ローマのような、古き良き街並みを残し、生かしつつ新しい建物を立て続けるという雰囲気はなく、街並みに驚きや感動は少なかった。
順番が良くなかったかな。北の方から入って、フィレンツェ、次にローマとかだと、もっとフィレンツェを愛せたかもしれない。
結局、最初にローマで充分イタリアの刺激を浴び、1週間じっくりゆっくり楽しんだ。だから、次の街で「良かった!」と思うには、さらなる刺激が必要なんだと思う。それがフィレンツェでは残念。目が肥えてしまっている自分に残念。
ドゥオモで異国の人と話ができて、もっと成長したいと心が躍った。陸上大会を見て、熱い心がよみがえった。
一生懸命な人たちがうらやましい。僕にもあんなパワーが欲しい。
でもその前に、さあ、これからフルコースを堪能しに行こう!っていっても、ユースホステルのメニューだけど。
p>(午後7時15分)
―― 旅する読書人より 2026.7.25
ミケランジェロ広場からの景色。それを、彼は絵に描こうとした。
「絵心ゼロ」と自覚しながらも、ペンを取った。きっと、誰かに見せるためのものではない。ただ、その目に映ったものを、自分の手で残したかったのだろう。
出来はともかく、描くという行為そのものが、その場所との向き合い方だったのかもしれない。上手い下手じゃない。そういうことだ。
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