1996.12.8(日)
朝6:30起床。今日はピサの斜塔を見に行く!そのために早起きして駅へ向かった。途中、朝食を買う。コーラとクロワッサン2つで6,200リラ。7:05発、ローマ発ピサ行きに乗る。昨日と違って今日は、ガラ空きだ(ちなみに、昨日は2時間以上遅れた電車だった)。
個室を一部屋独占。早速、昨日買った「The Wonderful Wizard of OZ」を、声を大にして読む。1時間30分ほどで7ページ(?)しか進まなかったけど、やった気、勉強した気になる。
昨日、サイモンと話が盛り上がった。英語が得意ならキリスト教カトリックに洗脳されそうな勢いがあった。やたら「バイブルを読め」とか「なんで読んでないんだ」とか、話の例えが全部聖書の第何章に書かれているとか、そんな話で盛り上がった。細かいことはお互いに通じていないと割り切りながらも、最大限の意思疎通を図ろうとした二人。楽しかった。こんな旅が続くなら、ずっと旅人でいたいと思った。
だから、英語を話せるようになりたいと思って、その足で本屋に行った。けど、難しい英語本なんか読めるわけもなく、買ったのは『オズの魔法使い』(笑)。絶対に日本人バックパッカーに見られたくないよな、と思いながら買った。
卒業までに、やはりもう一度海外へ行きたい。本格的に英語を習いたい。英語、パソコン、カメラを極めたい。PCとカメラで、デザインまで知識が広がれば……今まで何をやってきたのだろう、と思ってしまう。
もう一度大学で勉強するか?働きながらお金を貯めて学校へ行くか?英語だけじゃなく、イタリア語も勉強する?早く外国へ行けば、自分の能力や視野の浅さに気づく。
自分に足りないもの。欠点が見えてくる。突きつけられる、「何もできない」という現在地を全身に浴びる。
俺はこのままでは終わらない。終われない。飛躍していきたい。いつまでも、いつも努力する男でいたい。
まずは、英語習得からかな。
約11時頃、ピサに着く。駅周辺は特に何もない。途中で生ハムのサンドイッチ(2,000リラ)を食べる。とても塩辛かった。

歩いて斜塔へ。鮮やかなグリーンと青みがかったクリーム色のドゥオーモ広場は素晴らしいが、もろに観光地化している。ローマは街と遺跡が共存し、マッチしているが、ここはそうでもない。
青クリーム色の大理石で固めたこの建物は、緑の海から突然現れた夢の島のようにも見える。
斜塔は思ったより傾いていた。悲しいけど、見たら「はい、それまで!」という感じ。ここはふんだんに大理石を使っていて豪華だが、よく見るとしっかり磨かれている感じがわかり、逆に観光地感が出過ぎてしまっている。
人気が出る前は、もっと汚かったんじゃないかな。観光客が多くなってから、一度全て磨いたんじゃないかと想像してしまう。

だから、すでに閉ざされている斜塔は汚い。人がよく集まる壁は磨かれていて綺麗。しかし裏に回ると汚い。そのコントラストが、イタリア人の気質なのか、観光地化しようとしている思いが見えてしまい、なんとなく興醒めした。
昼にドーナツを買う。1,000リラ。ここまでで、9,000リラ。
電車に乗る前に、またドーナツ(1,200リラ)とコーラ(2,000リラ)。なかなか贅沢をしてしまった。合計12,200リラ。
午後1時8分、ピサ発、ローマ行きに乗る。17:00ごろ、ローマ到着予定。
今日はローマにいながらピサへ1日旅行(日帰り旅行)という形だった。斜塔を見てきたけど、どうも自分は、そういうのより異国で「生活」をするという旅行の方が合っているように思う。観光地巡りより――。
ピサを見に電車に乗り、ピサの斜塔を目の前にして「ほーーー!」。

これがピサの斜塔かー!傾いてるねー、とそのまま楽しんで帰る、というような感動なしのまま帰ることになるのが、残念だった。
ローマだと、目的なしに歩いていると、パンテオンやスペイン広場が突然現れてくる。なんだかローマで生活しているように――朝は市場へ買い物に行き、休憩にバールへ行き、疲れたらスペイン広場で座って日記を書く。日が暮れたら宿へ帰る。暇な時に自分を見つめ直す。のんびり暮らす。そんな旅が良いと感じた。それが、今のローマにぴったりだったのである。
これから、ヴェネツィアやフィレンツェでもそうしようと思った。
宿で日本人と話をする。毎週日曜日の正午に、ローマ法王が顔を出すサン・ピエトロ大聖堂。大聖堂には、ミケランジェロ作の唯一完成したピエタがある。
夕食にスパゲティ・ポモドロ 3,500リラ。買い物(スーパー)14,000リラ。2,000円分を22,000リラに換金。残りは29,700リラ。


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