1996.12.20(金) その①
昨日から何度も目が覚めたから、目覚めが悪い。朝6:45。やっぱり雨。どうしよう。
今日は、帰りの飛行機の予約確認をしないといけない。これは必ずやる。
p>あとは……雨だからどうしよう。外国の人は傘を差さなくても平気な感じだけど、小雨程度じゃなくて、本降りの雨。駅に着く前にびしょ濡れになってしまう。
(6:45、ホテルにて)
雨の中、走って駅へ来た。どこへ行こうかいろいろ見た挙句、ボローニャ行きに乗る。ヴェネツィア発8:30 → ボローニャ10:50着。雨の降っていないところへ移動して、のんびり歩きたい。
列車はどんどん乗ってくる。僕は座れたけど、電車は満員状態。
線路の横を走る車に気づいた。え?電車より、車のほうが速い!
どういうこと?
電車はしばらくすると加速した。そりゃそうだよね。車より電車のほうが移動が遅いなんてこと、ないよね。
南イタリアより、北のほうがおしゃれな人が多い。北に来れば来るほど、おしゃれな男女が増えてきた感じ。
パドヴァでたくさん降りた。激混みから、混みへ。するとこの車両は、いっぷう変わった雰囲気に。
誰かがラジカセをつけた。格好良い曲が車両いっぱいに広がる。とにかくデカい音。ラジカセの持ち主はもちろん、周りの乗客もノリノリ!
陽気な電車の中で、僕は僕の世界を作る。まさか、僕もノリノリで!なんてできないし。
シャーロック・ホームズを読みながら、素敵な景色と素敵なBGMに、ボローニャまでの2時間半を過ごせると思うと、最高!
(10:19、電車にて)
ボローニャに着いた。
さっそく飛行機の予約確認。200リラ硬貨を入れて電話をかける。飛行機予約情報を一方的に話し、最終的に「Everything OK!」って言ってもらえた。
僕は調子に乗って、帰りのローマ空港まで、テルミニから駅まで電車があるか聞いてみた。でも、本当は「当日ストライキ大丈夫?」って聞きたかったんだけど、伝わらない。
「What do you want?」
言われちゃった。
電話の相手は「もう一度トライしてみてよ」と言ってくれている。
「クリスマスの日は電車が止まるって聞いたんだけど、26日は大丈夫かな?」って、何とか伝わった。
けど、答えは当たり前のものだった。
「国鉄に聞いてみて!」
確かに。
ボローニャは、これまで見たことのない街燈があった。嬉しくなった。

ボローニャの広場で蚤の市が開催されていた。お店が多く、活気がある。楽しい。
3人一組のイカサマ露店チームがいた。マジック?手品?を見せて、見た目はすごいんだけど、実は観客に交じって操作している人がいるっていうやつ。
一通りマジックの道具を売ってみて、落ち着いたら、その3人組で移動して、また別の場所で同じことをやる。一緒に僕も4回くらい、その人たちの寄席に付き合った。
だます人がいて、だまされる人がいる。それを端から見ている。でも寒い。
一通りボローニャも駅前だけど、たくさん歩けたから、そろそろ帰ろうかな。
ボローニャ駅で、やっぱりマックでこの日記を書いている。4時間くらい歩き回った。
ボローニャは好きな街だと思った。活気があるし、街の雰囲気もローマのように昔ながらの街並みを保ったところで、歩いていて楽しい。この時期は、寒さと枯れ葉と古き良き街並み全部がマッチして、ロマンチックな街だ。
ローマのテヴェレ川周辺、フィレンツェのユースホステルへ向かう道、色んな場所の公園――全部の中で、ボローニャは上位ランキングだ。歩いていて楽しい街だと思った。
この寒い時期、オフシーズンなんだろう。日本人もほとんどいないのが、優越感もプラスされて楽しい。来てよかった。
一応書くけど、日本人がいたらほっとする。落ち着く。僕はね。でも相手が、僕が日本人だと気づくと、さっと目をそらす。イタリアのこんな街に来てまで「日本人なんか見たくない!」という雰囲気が伝わってくる。これが面倒で、とても残念なポイント。
だから、日本人がいない町は、のびのびできて楽しい。
(15:00、ボローニャ駅マックにて)

―― 旅する読書人より 2026.7.25
「雨の日は、雨が降っていない場所へ行けばよい」――この一言が、彼の旅のスタイルをよく表している。悩むより、動く。その判断の軽さが、ボローニャという新しい街を彼に教えた。
イカサマ露店のマジックを4回も見物し、街燈に感動し、自分なりの街のランキングをつける。彼の旅は、小さな発見の積み重ねでできている。
日本人がいない街がのびのびできる、というのも、なかなか正直な感想だ。
■この旅の始まりはこちらから


コメント